一般社団法人石川県食品協会 会長新年ご挨拶(令和3年1月)


 新年あけましておめでとうございます。会員の皆様には、ご健勝で初春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 また、平素から当協会事業に格別のご理解とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
 昨年はコロナに翻弄された一年でした。
 2月頃横浜港に停泊する客船から新型コロナウィルスがみつかり、以後、全国に蔓延し、有名人の方が亡くなるなど新型コロナウィルス感染症の怖さをまざまざと感じさせられました。
 食品協会の関係では、2月12日~14日に幕張メッセで開催された「こだわり食品フェア」展示商談会への出展を最後に、首都圏での展示・商談会はことごとく中止となり、会員の皆様の商品情報発信の場がなくなりました。海外との交流が閉ざされ、国内では人の移動が制限されたことにより、営業活動もままならず、店頭での売り上げが蒸発するという前代未聞の時期がありました。
 一方で、皆が家に閉じこもって生活せざるを得ないことから、一部では新たなニーズも生じました。その後、8~9月にかけて復調がみられ、政府の政策の後押しもあり、景気回復への足掛かりをつかめたかと思いきや、12月になって再度コロナ感染症が息を吹き返し、立ち直りつつあった経済活動に冷水を浴びせられることとなり、先を見通せないまま、新たな年を迎えることとなりました。
 この間、例年8月に開催していた「食品王国いしかわ展示商談会」の開催も一時は断念しましたが、会員の皆様の熱意に押されて、何とか10月12日に開催することができました。
 今回は10回目を迎えることでもあり、色々と企画をし、期待も大きかったのですが、コロナ対策が必要なことから、出展者数を3割程減らし、会場面積も5割増やし、来場者、出展者はマスクで身を護っていただき、さらに、食品の展示商談会では不可欠の「試食」を禁止するという正に異例の形での開催となりました。首都圏のバイヤー様が来場できないことから、初めてWebによる商談を取り入れました。首都圏バイヤー19社と地元企業25社とをマッチングし、53件の商談を実施しました。リアルの展示会では試食を禁止したものの、Web商談では前もつて試食をしていただいた上での商談であったため、かえって、Web商談の方が話が進んだという評価もいただいたところです。
 今回の展示商談会は、いしかわ農業総合支援機構の地産地消受注懇談会との共同開催が実現しました。名称も「食品王国いしかわ百万石マルシェ」と改称し、食品企業と農業生産者が一堂に出展し、商談に臨んでいただきました。これを機会に、今後はお互いのバイヤーを共有して、新たな市場を目指すとともに、地元の出展者同志の連携も期待しているところです。
 一方、私たちを取り巻く経済環境は、国内の人口減少による市場の縮小や海外での米中貿易摩擦など幾多の懸念はありますが、何と言っても、新型コロナウィルス感染症による全く見通しの立たない影響がまだまだ続くことを肝に銘じておく必要があると思います。
 そのためにも、観光需要やインバウンド需要に片寄ることなく、国内での底堅く、幅広い需要の掘り起しに努めるべきであると思います。販路の確保・拡大については、従来の取引先とより一層、緊密なお付合いを図りつつ、ECサイトによる新たな販売への取り組みも重要になってきます。
 協会としては、展示・商談会への出展の機会を確保するとともに、全国のバイヤー様へ石川の食品情報を発信できるように協会のサイトを改修し、新たな販路獲得につなげていきたいと考えています。国内はもとより、海外とのWebによる商談の機会も作っていきます。
 また、6月からは、HACCP導入が完全義務化されます。会員の皆様には、既に対応済みのことと思いますが、HACCP導入が義務化されますと、次に求められるのがHACCP導入企業であることの第三者による認証であり、そのことが食の安全安心を宣言、担保することになり、企業の差別化に繋がっていくと思います。
 企業の経営戦略によっては、海外市場から求められるFSSC、ISOなどのより高度な安全基準の導入をも検討する必要があるでしょう。
 これらの対応として、協会はセミナーの開催などを準備しております。
 石川には「豊富で独自性のある食材」が強みとしてあり、加賀、金沢、能登それぞれの地域で、食文化が育まれてきております。
 食品産業においても地域間の競争が激しくなってきており、これら「石川の食文化」を前面に押し出した、本県の食品産業全体として展開することが、その競争に打ち勝つ方策ではないかと思っております。
 優れた食材の宝庫である石川の食を海外へ展開するために、海外バイヤー・レストラン関係者の招聘、海外現地でのフェア・商談会の開催が重要でありますが、コロナの関係でまだ、見通しは立っておりません。
 食品協会としては、県や金沢市、ISOCOなど、関係機関のご支援をいただきながら引き続き意欲ある会員企業を後押ししていきたいと考えております。
 私は、本県食品協会産業は、過去において、食生活の洋風化や流通構造の変化など、幾多の構造的な変革の時を、その時代のニーズを的確に捉えながら乗り越えてきた「ポテンシャルの高い産業」であると思っております。
 また、消費者の皆様が求める安心・安全な食品の製造・販売を通して県民生活を支えるとともに、製造から販売まで裾野の広い地場産業として、本県経済を支える重要な産業であると自負しております。
 本県食品産業の更なる発展に向けて、当協会が、会員の皆様にとって頼れる存在となるよう、様々な事業、新鮮な情報提供に知恵を絞ってまいりたいと考えておりますので、今後とも、皆様方のより一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。


一般社団法人石川県食品協会
代表理事会長 杉野哲也




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